銀杏はどうしてくさいのか
イチョウの葉が色づく季節になってまいりました。
あのきれいな黄色い葉を見ると、何とも言えないすてきな気持ちになります。
ですが、あのにおいが気になる方も多いと思います。そこで、銀杏についてまとめました。
銀杏はなぜくさいの?
果肉のように見える外側の部分、柔らかいところに酪酸という臭い化学物質が含まれていて、それが人間にはくさいと感じるようです。
酪酸自体は、動物にとっては栄養になるそうで、そのにおいで動物は食べられるものだと判断するそうです。
銀杏のくさい部分を「おいしそう」と感じ食べる動物は、りすや、ポッサムという有袋類、日本ではタヌキのフンの中に銀杏の種が入っていたそうです。種は消化されず残るので、種を運ぶのにタヌキが役立っているという証拠があるそうです。
人間がこの臭い部分を食べると、イチョウ酸によってアレルギーになります。だから種の部分を食べるんですね。
食用銀杏はどうやって作っているの?
銀杏を売るために栽培している農家もあるそうです。
茨城県の農家では収穫時期は9月からで、棒や手で気をゆすって銀杏を落としていきます。それを、高圧洗浄機で、果肉のようにみえるくさい部分を吹き飛ばします。
およそ3分できれいに種だけになるので、それを塩水に入れます。中身がスカスカのものは浮いてくるので、それを取り除いて中身のつまったものを厳選して商品にするそうです。そのあと、半日天日干しにして完了です。
銀杏の食べ過ぎは危険!どうして?
わたしは銀杏大好きなんですが、食べ過ぎは危険なようです。
それは、銀杏には4-O-メトキシピリドキシンという毒が含まれていて、食べ過ぎるとけいれんや嘔吐、意識混濁を引き起こすことがあります。
銀杏は食べ過ぎるとビタミンB6の神経を沈静化する働きを邪魔するので、全身けいれんや下痢などを引き起こすのだそうです。
食べ過ぎってどのくらいの量?
ギンナンを約7時間でおよそ50個食べる。3時間後に全身性けいれんを起こした1歳の男児。
50〜60個食べ7時間後におう吐、下痢、9時間後に全身性けいれんを起こした2歳の女児。
60個食べ4時間後からおう吐、下痢、両腕のふるえを起こした41歳の女性。
さすがにそんなに食べないような気もしますが、子供の場合5〜6個でも中毒を引き起こす例があるそうです。
戦後の食糧難の時代には、食べ過ぎて死亡例もあるんだとか。
何個なら食べていいの?
日本中毒情報センターによると、小児で7個、成人は40個が中毒を起こす危険性のラインとなっています。
ですが、ビタミンB6が体にどれだけあるかでも摂取量は変わってくるそうです。
5歳未満の子供は食べてはいけません。
さいごに
わたしは銀杏が大好きで、子供のころはこの時期になると近くの神社に行って、銀杏を拾い、持ち帰って柔らかい部分を洗い、乾かして、炒る。という一連の作業を一人でやっていました。だから、銀杏のニオイは大好きではないけど、嫌いではない、むしろちょっと好き、くらいな感じです。
食べ過ぎは危険ですので、注意してお召し上がりください。